どのペットの飼い主さん達も、必ず思っていること、それは「うちの子たちと、言葉が通じたらどんなに嬉しいだろう!」という気持ちだと思います。
勿論「自分のペットとは以心伝心です!」と自信のある方もいらっしゃることでしょう。
ヒトと同じで、うさぎさんにも一羽一羽に個性があるので、気持ちの表れがわかりやすい子も、わかりにくい子もいます。
一般的には、うさぎは感情をあまり表現しないタイプの生き物だと思われてます。
その半面、とても繊細という性質も持ちますので、自分の身に何らかの危険を感じたり周りが図らずも、うさぎさんに不快な思いをさせると、想像以上に攻撃的なリアクションをする時があります。
その表れのひとつとして「噛む」という行為があります。可愛いお顔が、一転!ガーーーっと歯をむき出して、手や足に噛みついてきます。
小さい身体とは思えない程の攻撃力で、噛みつかれた側(ヒト)は結構なケガになる時もあります(泣)
今回は、うさぎが「噛む」のどうしてなの?どうしたら防止できるの?また、しつけで噛みグセが治るのか?などの問題について、お伝えします。
うさぎが「噛む」原因と対策(一般的なケース)
うさぎが噛む原因には様々なケースがあります。まずは一般的な例から挙げます。
1.テリトリーや縄張り意識の主張(オス・メス共通)
うさぎは、人間が思っている以上に「縄張り」「テリトリー」を主張する生き物です。絶対的な「テリトリー」である、自分のケージやサークル内では、特にその意識が強いようです。
しかし、飼い主としてはご飯の取り替えや、ケージ内のお掃除と、うさぎさん達のテリトリーに接触せざるを得ません。
そんな時うさぎさんがナーバスになってて、噛むようだと困りますよね。対策としては、うさぎさんに「了解をとる」形でケージやサークル内に近づきましょう。
具体的には、ケージ内のご飯のお皿を取る時や、お掃除を始める際に
「○○ちゃん、ご飯置くからね」とか「○○くん、お掃除するから部屋んぽ始めよう」
など、うさぎさんの名前を呼びかけながら、作業を行いましょう。
うさぎさん達は、自分の名前がわかりますし、人間の方から「~~するから、近づくよ」という呼びかけ、合図を送ると、認識してくれるはずです。
お互いが、気持ちよくコミュニケーションとるためにも、この「呼びかけ」をこころがけましょう。
※大抵は、この方法でテリトリー内で「噛む」行為を予防できますが、うさぎさんによっては、すごく神経質になってる時には、攻撃的態度をとる時もあります。様子をよく観察して、接しましょう。
2.人間側の行動に抗議しているパターン
我が家の代々のうさぎ達には、「抱っこOKの子」もいれば、「絶対!抱っこはイヤだ!」という子もいます。
元々野生のウサギ達は、非捕食動物なので、どんな形であれ外部の何かに「捕獲される」=「最大の危機」と反射的に認識します。
しかし、ペットのうさぎさん達は、野生のうさぎほどその意識は高いわけではありません。
飼い主側としては、定期的に「爪切り」をする必要性もありますし、万が一、体調不良を起こして、投薬しなければならない場合、うさぎを抱っこする(保定する)必要がでてきます。
日頃、そんな緊急事態のため、飼い主さんもうさぎの「抱っこ」を習慣づけたいのは理解できます。
でも、うさぎさんにとっては「危険!」と思い、「噛んで」その状態から逃げようと必死になってしまうのです。
このような場合は、うさぎさんの気分がリラックスした状態の時に協力してもらいましょう。
例えば、ご飯が終わった後、うさぎさん達は満足しているはずです。「〇〇ちゃん」と名前を呼びながら、背中や頭をなでてあげながら、抱っこ(もしくは保定)に付き合ってもらいましょう。
その時、うさぎの鼻先に、手を差し出してはいけません。必ず、背中方面から接していきましょう。
うさぎが自分を格上と思ってる
うさぎさん達を可愛がりすぎるあまり、時々過保護すぎる飼い主さんもいるかもしれません。
うさぎは、社会性のある生き物でもあります。中には相手に対して【優位的立場】を誇示するため「噛む」行為をする子もいるかと思います。
彼らが「噛む」原因が、前述の項目に思い当たらない時は、うさぎが「人間より偉いんだぞ」と主張しているかもしれません。
理由もなく噛む行為が続くのなら、噛んだ直後に、うさぎさんの耳の後ろを手で押さえて、うさぎさんの頭に人間が顎をのせて、しばらくそのままにしています。
これは、上下関係をうさぎに認識させる行動なので、しつけの一環として効果があるかもしれません。
環境の変化でストレスが原因(オス・メス共有)
引っ越しや、お部屋の模様替えなどで、うさぎの周辺に変化があると、ストレスを感じて、攻撃的になる場合があります。
いつもなら、ケージのお掃除をしても怒らないのに…とか、 部屋んぽ中に飼い主の足に噛み付くなんて!などの経験があるかもしれません。
うさぎさんは環境の変化に、神経質になる特徴があります。自分の身に「良からぬこと」が起きるのではないか?と不安になっているのです。
このような時は、うさぎさんが新しい環境に慣れるまで、そっとしておきましょう。
よく観察してあげて、リラックスしているようであれば、サークルに出してあげたり、部屋んぽさせたりと、飼い主さんの方で調整をしてみましょう。
特殊なケース(メスのうさぎ)
女の子のうさぎさんは、成熟するとホルモンバランスで、神経が過敏になる時もあります。
よく観察していれば「うちの子は、大体このサイクルで、神経質になるかな?」とわかってくると思います。
その時は、ストレスを溜めないように、ある程度自由にさせてあげましょう。この時期に、むやみに近づいたり構ったりは、「噛まれる」ことを覚悟しましょう。
5.その他
人間だけでなく、ケージ内の「モノ」を噛むうさぎさんもよくいますよね。例えば、「トイレ」の縁を噛む、餌のお皿を噛む、ケージを噛む、などです。
1.「トイレ」や「餌入れ」の場合
何かが気に入らないか、ストレス発散で噛んでいるので、サークル内での運動や部屋んぽの時間を増やしてあげるといいでしょう。
それでもおさまらない時は、「トイレ」「餌入れ」を陶器製に換えることをおすすめします。
プラスチック製ですと、微量ながらもうさぎさんの体内に蓄積されるリスクがあり、体調不良の原因を招いてしまいます。
2.ケージを噛む
これは、ほとんどの子が「外に出たい」「一緒に遊んで!」という気持ちの表れです。飼い主さんの目が届くようであれば、出してあげましょう。
どうしても、タイミング的に無理な場合は、他に噛むもの(藁でできた座布団など)のおもちゃで気を引いて、ケージを噛むことを阻止しましょう。
ケージを噛むのがクセになると、うさぎさんの歯が不正咬合になる原因を招くそうですので、注意が必要です。(かかりつけ獣医師からのアドバイス)
うちのうさぎは、かなり勝ち気な性格ですが、余程の事がないと私たちを「噛む」ことはしません。また、ケージも噛みません。
部屋んぽなどの、自由時間(笑)が、結構多めだからかもしれません。
うさぎも好きで「噛む」わけではないので、お互いがストレスにならないよう心がけてるつもりです。
ストレスを与え過ぎないように
うさぎさん達が「噛む」のは、危機感と過剰なストレスが原因です。
うさぎの名前を呼びかけて、こちらが「これから~~するよ」という合図を示してあげて、うさぎさんがビックリしないよう注意してあげることが肝心です。
うさぎは常生歯の動物なので、自分の歯の長さを調整するため、家具やソファなどを噛む事はあります。ある程度なら「そこは噛んではダメ!」しつけることも可能です。
その事も含めて、ストレスをなるべく与えず、お互いのコミュニケーションがスムーズにできるように、努めていきましょう。
時々は、構いすぎず、そっとしておいてあげるのもポイントです。