つぶらな瞳にピクピク動くお鼻、お尻の可愛いシッポを見ると、“うさぎは、可愛らしくって健気で、おとなしくしている” という風にイメージしますよね。
でも、うさぎと一緒に暮らしてる飼い主さん全員が「そう思うアナタは、うさぎの外見にダマされてます!」と、口を揃えて言うと思いますよ!
うさぎが愛らしいのは確かですが、意外と気が強くて、怒りん坊なところがあります。軽度の“怒り”から、かなり感情が爆発するところまで、幅広い表現が見られます。
うさぎさん達は、犬や猫より感情表現が豊かではないように見えますが、とても繊細で、ある意味“神経質”な生き物でもあります。
あまり、予備知識のないまま、一緒に暮らすとなりますと、彼らの感情や行動が理解できないまま、困った状態を引き起こしかねません。
今回は、うさぎが怒るのは、どんな理由が考えられるのか?また、うさぎさんが怒ったら、飼い主はどのようになだめたらいいのか?という対処法までご紹介していきましょう。
うさぎの感情表現
うさぎには「笑う」という表情は、見当たりません。ただ、大好きなおやつや果物をもらった時などは、すぐさますっ飛んできて(笑)、好物に食いつきます!
その食べてる様子は、本当に幸せそうですし、贔屓目で見ていると「ニコニコしている」ようにも見られます。
では、うさぎさん達が不快な時は、どんな表現があるでしょう?軽めに怒ってる時は、鼻もしくは喉の奥を「ブッ」と鳴らします。
(うさぎさんには声帯がないので、基本、鳴くということはないのですが、感情が高ぶると、このように鼻をならしたり、喉の奥から呼気をはいて、音をだします)
そして、もっと「明確に」私たちに「怒ってるぞ」と表現する時は後ろ足を「ダンっ」と鳴らします。うさぎ飼い主の界隈ではこれを【足ダン】と呼び、正式には【スタンピング】という行為にあたります。
上記の2つについては、「あ、うちの子、ご機嫌ななめ」「怒ってるのね」と飼い主側にも理解できるタイプの怒り方です。
しかし、時々、うさぎが原因不明で、いきなり【ダッシュ】して部屋を駆け回ったりする時があります。
判断は難しいのですが、これも「怒り」「不快」な時に、うさぎさんがする動作の一つです。
最上級に「怒った」時は、近寄ると「噛んで」きます!小さい身体の割に、噛む力はあなどれません。
人間も相当なダメージを受けますし、ウサギさんはかなりの興奮状態なので、精神的にもよろしくない状態です。
うさぎが怒る理由や原因
うさぎさんは、非常に繊細、かつ神経質な面がありますので、少しでも自分が嫌がる事を、人間側にされたり、自分の周囲の環境が「危険」や「有害」と感じたら、「怒りの表現」をするのです。
本来だったらその場から逃げられればいいのですが、ペットはお部屋から外には出られませんので、当然の行動でしょうね。
では、具体的にどんな事が理由や原因と考えられるでしょうか?
1.人間側から抱っこやタッチの強要をされた場合
例えば、自分のうさぎさんをお友達や他の人に見せてあげて、可愛いからといって無闇に「抱っこ」「タッチ」をたて続けにされた場合などは、
元来【被捕食動物】のうさぎさん達にとっては、迷惑な状態なのかもしれません。
うさぎにストレスを与えないためにも、様子を見ながら、うさぎとふれあいましょう。
2.身体の触れられたくない場所にタッチされた
うさぎはお腹や足の裏など、自分の弱点を触られると、とても嫌がります。
最悪な場合、触れられた直後、バッと飛び上がって、何かに身体をぶつけてしまいケガの原因となるかもしれません。私達、人間も同じですよね?
ウサギさんは、自己保身意識がすごく高い性質がありますから、注意しましょう。
3.お腹がすいてる
人間の都合で、いつもの時間どおりにうさぎさん達にご飯をあげるタイミングがずれてしまうこと、時々ありますよね。
うさぎさんにもよりますが、お腹がすくと、彼らも不機嫌になります。大体の子が、最初にご飯のお皿をひっくりかえしたりして、怒りの表現をします。
かなり、空腹で苛立っていると、攻撃的にケージの金柵をガジガジ噛んだり、ケージ内で【足ダン!】をしてアピールする子もいます。
4.掃除の後、ケージ内のレイアウトが変わってる
ケージの中をお掃除したあと、ちょっと飼い主さんが牧草フィードや給水ボトル、ましてやおトイレなどの配置を変えてしまうと、
繊細なうさぎさんは「あれ?物の位置が変わってるぞ」と不安になり、ストレスを感じる子もいます。
5.生活環境に異変を感じる
お部屋の中で、うさぎさんが普段あまり感じない臭いや、騒音、光の加減等、人間ではスルーできることも、
うさぎさんにとっては不意に自分にふりかかる「不快さ」なので、怒ってしまうことがあります。
ちなみに、うちの子は道路工事のドリルの音がいきなり鳴り響いた時、「キッ」という顔をして、渾身の【足ダン】を連発した事があります(泣)
6.発情期
これはオスのうさぎさんに、よく見られる「怒り」の表現です。うさぎさんは大体6ヶ月を過ぎると大人になるので、当然、マウンティングなど自然発生的に行動する子もいます。
殆どの男の子が、飼い主さんの足や腕を「ガシっ」と抱え、マウントを取ろうとします。
でも、なかなか思う通りに発情行為が達成できず、イライラして【足ダン】などして怒ってしまうのです。
うさぎが怒っている時の対処法
うさぎさんが怒っている時、私たちはどのように接してあげればいいのでしょう?
犬などは、社会性の高い生き物なので、飼い主をリーダーと認識していれば、リーダーの言いつけを守ろうとします。
ただ、うさぎはあくまでも単独で行動する性質の方が強いため、あまり「人間の言いつけをきく」という姿勢は見せません。
しかし、うさぎが怒ることは理由がありますし、放置していると、スタンピングが原因で【ソアホック】という、足の裏の炎症を発症させるリスクにもなりかねません。
うさぎさんが怒った時の対処法をいくつかあげてみましょう。
1.ブゥブゥ 鼻をならしていたら
お腹がすいてないか?ケージ内のおトイレはキレイになっているか?部屋んぽやサークル内での運動量は足りていたかどうか?
を見直して、原因を追求し、直ちにうさぎの要求に答えてあげましょう。
ただし、うさぎさんも知恵を使います。ご飯を食べたばかりなのに、自分の好物が足りなかったからと、再度“要求”してきても、無視しましょう。
鼻をならして怒っていても、ご飯の分量は守った方がいいです。大抵は、うさぎさんが「不快」に感じた要因が解消されたら、怒ることはおさまると思います。
2.スタンピング
うさぎがスタンピングする場合、何らかのストレスを感じているという、直接的な行動。もう1つは、スタンピングすると飼い主さんが来てくれると分かっていてやっている行動です。
たまに起きるくらいなら、前者かもしれませんが、毎日のように起きるとしたら、おそらく後者の方が考えられます。
何度も繰り返すようでしたら、しつけとして、うさぎさんに認識してもらう必要があります。敢えて、スタンピングを繰り返していても、完全に無視し続けるのです。
ケージから出たがっていたとしても、余程の理由が見当たらない場合、飼い主としてスタンピングが終わるまで、何の反応を示さない事をおすすめします。
うさぎさんは結構、学習しますので、自分の行動とそれによる外部の反応をマッチングさせることがあります。
あくまでも飼い主さんが、うさぎさんの【親】なんだということを、認識させるのもうさぎと暮らす上で重要なファクターでしょう。
3.発情行動の際の対処法
うさぎさんは、何の前触れもなくいきなりマウンティングしてきます。そして、満足しないと、足ダンしたり噛み付いたりします。
可哀想ですが、そんな時は、マウンティング自体をやめさせなければなりません。優しく抱っこして、ケージに戻してあげましょう。
興奮しているようだったら、背中や頭をなでて落ち着かせてあげましょう。
ただ、人の気配で更に発情行為を続けようともしますので、ケージ内に入れたら、布をかけて「静かに、落ち着いて」と促しましょう。
普段からうさぎさんの行動をチェックしよう
人間も不快感が募れば、怒りたくなるように、うさぎも同じく行動で表現します。でも、そこには必ず原因・理由があるのです。
はじめは、うさぎ達の怒った状態から探っていくことになりますが、一緒に暮らしていけば、彼らにストレスを与えないよう、工夫していけるでしょう。
人間もうさぎもストレスを溜めず、お互いが信頼しあえる関係性を築いていければ、うさぎさんとの暮らしが益々、楽しくなってくるでしょう。