自分と暮らしているペット達が、いつものように元気にご飯に飛びつかない、食べたそうにしているのに、
ご飯を口に運ばない、これは、どのペットの飼い主さんでも心配で、深刻な状況です。
特にうさぎさんにとっては、食欲不振の状態はかなり問題です。
「あれ?今日の野菜は何か気に入らないのかな?」
「また、わがまま・きまぐれ癖がでてるのね」
などとのんきに考えていると、たちまちうさぎさん達は体力や生命力が減退して、命に危険を及ぼすことにもなります!
今回は、うさぎさんの食欲不振、食べなくなった時の対処方法など
うさぎさんと暮らす上で、一番重要な注意点や心がけるポイントをご説明します。
うさぎさんの食餌タイムの反応
うさぎさんは、ご飯の時間が大好きです!
主食としている牧草は勿論のこと、新鮮な野菜、お気に入りのペレットなど飼い主さんが用意をし始めると、瞬く間に側に寄ってきて、
「早く、早く!食べたいよ!」とワクワク、ソワソワする様相を示します。
私の歴代の子たちも、このような振る舞いをしますので、【親】として我が子たちの喜びの表情が見れて、楽しいひとときでもあります。
うさぎさんの中には、性格がやんちゃすぎて、飼い主さんがご飯の用意をしている側から、膝に乗ってきたり、お皿をひっくり返して中身をすぐに食べようとしたり、という行動を起こす子もいます。
私は時々、友人のうさぎさん達もお預かりする機会もありますが、
どの子もこんな風に「嬉しそうに」「元気に」「飛びつくように」ご飯は、うさぎさんにとっては生活の中でも一番楽しみな時間なのです。
うさぎさんが食欲不振の時
とても嬉しい、楽しいご飯の時なのに、いつものように活発に食いついてくれないうさぎさんには、要注意です!
あんなにいつも、ご飯タイムはハイテンションなのに、飼い主さんがご飯の支度をしてても、反応が薄かったり、
こちらに意識を向けないなどの普段と違う様子だった場合、すぐにでもうさぎさんの状態を細かく観察しましょう。
・大好物の果物や野菜を与えてみる
・ご飯のほうを見向きもしない
・うずくまって丸まっている
・部屋の温度や湿度に急激な変化はなかったかどうか?
・ご飯までの間に、糞やおしっこの状態はどうか?
・元気はあるけど、ご飯は嫌がる
以上のような様子だったら、うさぎさんに何らかの異常が起こっていると思って間違いありません。
元気がある場合は、うさぎさんの気まぐれで、ご飯に無関心な場合もありますので、しばらく様子をみてみましょう。
うずくまってたり、糞を殆どしてない状態ならば、できるだけ早く、うさぎ専門獣医に予約を入れて、相談に行きましょう。
うさぎさんの食欲不振の原因
うさぎさんが食欲不振でご飯を食べられなくなる原因は大きく分けて次の3つになります。
1.ストレスがあって、機嫌が良くない
うさぎさんは、犬や猫以上にストレスに弱い生き物です。
飼い主にとって思い当たる事がなかったとしても、何らかの理由で、ストレスを感じ食欲不振や体調不良を起こします。
例えば、室温や湿度の変化(急に暑い・寒い・蒸し蒸しする)などでも、彼らにはストレスとなってしまいます。
また、飼い主さんがずーーっといなくて、普段と違う生活リズムが続いてしまったりも考えられる要因です。
2.過長歯が原因
うさぎさん達は常生歯という、歯が一生伸び続ける生き物類です。
上顎に4本、下顎に2本の切歯があり、この切歯を左右に摺り合わせ、牧草などを噛み切って食べていますが、これには伸び続ける切歯をすり減らし歯の長さを調整する役割もあります。
もし、この歯の噛み合わせに異常が起きると、前歯に当たる「切歯」は勿論のこと、飼い主からは見えにくい「奥歯」も、しかも歯根の下側の方も伸び続けてしまいます。
通常の食生活で、うさぎさんに食物繊維が豊富なチモシーやアルファルファ、オーツヘイを中心として給餌していれば、
自分で歯をすり合わせて食べるので歯が伸びすぎることを抑える役割を果たします。
しかし、中にはうさぎさんが大喜びするからと、生野菜が中心であったり、ペレットが牧草より多めだったりすると、うまく歯をすり減らすことができにくく、
【過長歯】と呼ばれる「歯が伸びすぎて、口腔内を痛めていたり既に傷ついてて、食餌がしにくい状況」になっている可能性があります。
この場合は、すぐにでもうさぎ専門獣医に、伸びすぎた歯を削ってもらう処置が必要となります。
3.腸うっ滞が起こっている(毛球症・細菌感染が原因)
うさぎさん達は24時間、腸内活動が起こっていなくてはならない生き物です。
しかし、日頃自分でグルーミングをすることで、体毛が体内に吸収されてしまい、腸内で固まって、腸の活動の妨げになる場合も多いのです。
(猫と暮らしていらっしゃる方も、同様なお悩みを持っているかもしれません)
腸の運動機能が低下すると、胃腸の中に残された食べかすが異常発酵して、胃や腸にガスが蓄積されてしまいます。
このことで、胃腸類がうっ滞して苦しくて食べにくくなる→食べない=腸内活動に影響→腸が動かず更にガスが貯まる という悪循環が起こり、即座に食欲不振に陥ります。
そして、うさぎさんの摂食障害が24時間以上続いた場合、【脂肪肝】という肝臓の病気を引き起こしてしまいます。
これは、腸管からの栄養の吸収が滞って、エネルギーを得るために、全身に散らばった脂肪を肝臓に集めようとする身体のシステムによるものです。
しかし、体調不良な状態では、全身から集まってきた大量の脂肪を肝臓は処理しきれなくなります。このことで、肝臓の機能が低下してしまうのです。
食欲不振の場合の対処方法や予防するには?
上記で挙げた食欲不振の原因別、対処法や予防方法を紹介します。
1.ストレスによる食欲減退の場合
ストレスによる食欲減退には、数時間様子を見ましょう。
飼い主さんとしては、心配ですぐに獣医師に相談を!という気持ちになるのもわかりますが、本来(どの生き物も)うさぎさん達は、診察自体をストレスと感じて、診察後に「余計具合が悪化した」というパターンも多いそうです。
ですから、環境変化やいつも食べてるペレットをちょっと変えてみた、などうさぎさんがストレス原因での食欲減退は、少し観察してみて、
ちょっとだけ食べやすい生野菜を多めにあげてみる、など工夫してみましょう。それでも全く改善しないようでしたら、獣医師に相談です。
2.過長歯が原因で食べれない場合
過長歯が原因で食べれない場合は、うさぎさんの口元をよく観察してみましょう。
いつも以上にお口をモグモグさせている、よだれが出てお口の周りがぬれている、などの状態でしたら、過長歯の疑いがあります。
すぐ、うさぎ専門獣医に相談して、伸びすぎた歯を削る・切るといった手術が必要となります。
普段の生活環境では、金属製のケージを噛む癖がある子は咬合異常の原因ともなるので、ケージの柵を噛ませないよう工夫することも、予防としては注意事項となります。
3.腸うっ滞が起こっている場合
腸うっ滞が起こっていると、うさぎさんにとってはかなりの危険な状態に陥ってます。
前項でも説明しましたように、腸うっ滞から脂肪肝というところまで派生してまたたく間に、うさぎの命に関わる危険性が高まります。
食欲不振と同時に、糞が出ていない、ケージの隅のほうにうずくまっている、元気がないといった状態ならば、殆どがこのパターンですので、やはりすぐ獣医師に相談に行きましょう。
腸うっ滞と診断されれば、【腸管運動機能亢進薬】という薬を投与、または自宅での投薬治療を指導されます。
獣医師によっては血液生化学検査を行い、細菌感染だった場合は、抗生剤も処方されると思います。
日常、うさぎさん達には【牧草中心】【ペレット】の食餌にして、生野菜・おやつ等、うさぎさんの大好物は本当に少しだけ、、と徹底しましょう。
過保護はうさぎの健康や、寿命にまで影響を及ぼします。
過長歯になった経験談
私の二代目のうさぎは5歳を過ぎた時から、【過長歯】の症状が頻繁に起こり涙目になっていたり、食欲が落ちたりという症状でしたので、その度に獣医さんのところで歯の手術をしてもらってました。
うちの子の場合、奥歯だったのでどうしても麻酔下での手術で、飼い主としては毎回心配でした。
勿論、うさぎ自身にも負担がかかってしまいます。その事を考えただけでも親として、ちゃんと日頃の食餌管理や環境への注意が、もっと必要だったのだ、、と反省の日々でした。
普段からよくうさぎさんの行動を観察する
自分の家族が食欲なかった時も、心配になりますが、ましてや、もっと身体も小さく「食べないとどんどん弱っていく」うさぎさんだったら、
尚更、飼い主としては深刻な気持ちになっていきます。
うさぎさんはストレスに弱い割には、自分の「体調不良」を表にはなかなか見せようとしません。
私たち【親】がきちんと、彼らの健康管理を常時怠らないように、注意しないと取り返しのつかない状況にまで陥ります。
また、うさぎさんの性格上、気まぐれで今までお気に入りだったペレットをいきなり食べなくなったり、、などもよくあることです。
飼い主さんは、様々な情報に常に耳を傾けつつ、ご自身のうさぎさんの状況を、よくよく観察することが必要です。
せっかく、「うちの子」になってくれたのですから、小さい事でも見落とさず、いつも元気なわが子でいられるよう、毎日コミュニケーションをとっていきましょう。