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うさぎ、偽妊娠の心構え~経験談から特徴的な行動や対処法を紹介~

usaginogininsin

みなさんは、うさぎをお迎えする時「男の子がいいな」とか「女の子とは気が合いそう」と、気になってしまう方もいると思います。

どんな子をお迎えするにも、大切な命をお預かりするので、責任重大です!特に女の子は生き物の原理として「子どもを産む」という使命があります。

ペットとして生きる女の子達は、婦人科系の病気のことや、妊娠を回避するため避妊させられるパターンが多いと思います。

けれども、うさぎの女の子は成熟期を過ぎると、避妊の有無にかかわらず【偽妊娠(想像妊娠)】という状態が起こります。

初めて女の子のうさぎと暮らした飼い主さんには、一瞬びっくりしてしまう行動・動作をします。

今回は、うさぎの【偽妊娠(想像妊娠)】とは、どんな状態なのか?どのように対応したらいいのか?などについてご説明しましょう。

偽妊娠(想像妊娠)とは?

野生のうさぎ達は、年に数回の出産が可能とされています。非捕食動物としての宿命なのか、繁殖の回数を多くすることによって、子孫を残していく幅が広くなるわけです。

うさぎの女の子たちは、年に数回の妊娠・出産に向けての体質をもっているのにお家で飼われている子たちは、妊娠をしないことでホルモンバランスに乱れが生じてしまいます。

【偽妊娠】とは、うさぎの女の子達の生理現象の一種と捉えてよいでしょう。ホルモンバランスを調整する、自然の行為・動作と考えられます。

偽妊娠と思われる動作・行為

では、実際の【偽妊娠】の動作や行動はどのようなものがみられるのでしょう?以下のような仕草が、【偽妊娠】の特徴的行動です。

食欲が安定しない

ホルモンバランスが安定しないことで、食欲にも変化が起こります。

いつもなら、喜んで食べるペレットに見向きもしなくなったり、牧草を食べるのではなく、牧草フィーダーから掻き出すだけとか、

とにかく通常のように、ご飯を食べなくなったら【偽妊娠】の兆候かもしれません。

いつも以上に“ホリホリ”動作が多い

ケージ内や部屋んぽ中に、いつも以上に何かを掘る動作が多くなったら、【偽妊娠】によるストレス現象と考えておきましょう。

牧草をくわえて別の場所に運び、巣作りする

ケージ内の牧草をくわえて、いつも行かない薄暗い場所にその牧草を溜め込んでいたら、明らかな【偽妊娠】状態です。

牧草だけでなく、もしケージ内に毛布やタオルなど、うさぎさんでも噛みちぎれるモノがあったら【巣材】として、口にくわえて出産ルームに運んでいきます。

自分の被毛を抜いてしまう

先程の【巣作り】と一緒ですが、巣材として自分の毛をむしってしまう子もいます。

大体は胸毛を抜いてしまいますが、中には前脚の毛もちぎってしまいます。

【偽妊娠】に気づいたときの対処法

前述のような行動が起こり始めたら、飼い主さんはびっくりしてしまうでしょう。

しかし、これも自然の摂理だと思って、そっとしておいてあげるのがいいとされてます。

気をつけなければならないことは、【自分の毛を抜いてしまう】行為です。

いくら出産のための必要行為とはいえ、お家うさぎには野生のうさぎよりも抵抗力が強いわけではありません。

毛を抜くことによって、皮膚病になってしまうリスクも考えられるので、次のことを試してみましょう。

・牧草の種類をいくつか用意して、量も増やす

・長くて硬めの牧草を巣材として用意してあげる

・もし前回見つけた「被毛のかたまり」があったら、出産ルームに置いてあげる。

(これをふまえて、抜いた被毛をむやみに捨てず、次の偽妊娠の時のために保存しておく)

偽妊娠への心構え

うさぎの女の子は、大体生後3ヵ月~6ヵ月頃を過ぎると繁殖が可能になります。

3月、4月の春頃に発情する子が多いので、この時期に【偽妊娠】状態になるパターンが多く見られます。

【偽妊娠】は自然におさまっていくので、うさぎ達も2週間程度で自分が「本当は妊娠してない」ことに気づいて、行動が止まります。

ですから偽妊娠の対処法は、基本的にはそっと見守ってあげることです。精神的にも不安定なので、あまり刺激しないように気をつけてあげましょう。

また、尻尾をあげている時は交尾の準備OKというサインですから、お尻付近を不用意に触らないように注意してください。

偽妊娠による婦人科系トラブルに注意

なかには【偽妊娠】によって乳腺が発達して、母乳がでてしまう時もあります。

その時は、おっぱいを触って熱をもってないか、大きく腫れていないかを確認しておきましょう。

もし、熱をもっていたり、腫れているようなら、【うさぎ専門獣医師】に相談・診察してください。

また、健康状態に問題がなく、将来的にも出産させる予定がないのでしたら、信頼できる【うさぎ専門獣医師】を探して、避妊の相談をしましょう。

もし、避妊手術を決断したら、生後8カ月~遅くても3才前までにやっておきましょう。

女の子のうさぎは、出産を経験せずに歳を重ねていくと、4歳以上で子宮ガン、乳腺炎などの婦人科系の病気に罹患する確率が50%以上だそうです。

5歳以上だと、驚くことに80%以上になるというデータもあります!

       

経験談

私自身は、女の子のうさぎと一緒に暮らしたことはありませんが、お友達の女の子をお預かりする機会が、結構ありました。

やはり、お預かり中に【偽妊娠】状態になり、巣作りをし始めて、正直最初は驚きました!

幸いなことに自分の毛をむしる行為はなく、単に牧草を集めて【巣作り】だけでしたのでその点では心配な面はありませんでした。

ご飯もいつも通り食べてくれましたし、1日1回【巣作り】行為が終わると安心するらしく、そんなにイライラせずに通常のようにマッターリしてくれてました。

(友人は「お部屋に牧草撒き散らして本当にごめんなさい!」と恐縮されてましたが、私としてはその子の「母親としての健気さ」の方に感動するばかりでした!)

その時に、うちの子(男の子)のほうが、自分ではしない行動にオロオロしててその表情を見ていることも、微笑ましかったです。

女の子うさぎの健気な宿命を受け止めよう!

わたし達は「癒やされたい」「一緒にいて気持ちが安らぐ」などの理由でうさぎ達を、自分の元にお迎えするのです。

当然、野生で自然の中で生きるうさぎさん達とは違う生活環境を、わたし達・人間から提供されます。

その中でも本来なら女の子は「出産」という宿命があるにもかかわらずわたし達の【都合】で「出産はしない」という選択肢を強要されているに等しいと、私は思います。 

だからこそ、体のホルモンバランスを整える【偽妊娠】に対して、わたし達は適切に対処してあげるべきだと思います。

大切な「うちの子」が、少しでも健康で長生きしてもらうためにも特に女の子うさぎの健康管理は、徹底して行っていきましょう。