わたし達、うさ飼いの間ではうさぎさんの糞を「正露丸」と呼ぶことがあります。
それだけ、うさぎさん達の糞は、丸くてコロコロしてて、大きさも正露丸と同じくらいなのです。
ニオイも、このコロコロタイプは殆どしなくて、強いて言えば、主食としている牧草のハーブっぽいニオイでしょうか?
ところが、わたし達人間と同じように、うさぎも胃腸の具合が良くないと糞がゆるめになり、ニオイも結構します。
自慢の可愛いお尻周りや尻尾までも、下痢や軟便で汚れてしまい、衛生上にもよろしくありません。
元々うさぎは、腸うっ滞などの胃腸に関するトラブルが多い生き物です。そして、異常を放置したり様子見を続けてしまうと、最悪な場合命の危険にさらされてしまいます。
そこで今回は、うさぎの下痢、軟便の原因や、対処法についてお話ししましょう。
うさぎの下痢、軟便とは?
うさぎは、前述のとおり正露丸のような丸くて焦げ茶のコロコロした形状が正常な糞です。しかし、以下のような異常に気づきましたら、要注意です。
下痢状の便
ほとんど液状で、水分を多く含んだ便の状態。トイレで用を足したとしても下痢の状態なので、うさぎのお尻周辺、尻尾が汚れている。
きれい好きなので、自分でお尻周辺をグルーミングしがちで、胸元の被毛や前脚も汚れてしまう可能性もある。
軟便
糞の形は保っているが、健常糞と違い柔らかく、触れるとネットリ感がある。一見、盲腸糞に見えるが、ブドウの房状にはなっていないのであれば軟便の状態。
下痢・軟便の原因
わたし達人間や、犬、猫などの動物でしたら、2~3日下痢や軟便が続いたとしてもすぐに命の危険性は、それほど見られません。
しかし、うさぎは胃腸の活動に異常があると、命に関わる問題になります。まずは、原因を認識しましょう。
ストレス(軟便)
うさぎは、想像以上に情緒的で繊細な子たちが多いので、ストレスを感じる事が多々あります。
ストレスによって食欲減退が起こり、腸内細菌のバランスが乱れ軟便(または下痢)を引き起こす可能性があります。
ストレスの原因は様々です。日頃のあなたのうさぎさん達をよく観察してなるべくストレスを与えないように、気をつけて上げましょう。
食餌の問題(軟便)
うさぎは、本来は【牧草】と【水】の食餌でも大丈夫!と断言する獣医師もいるくらいですが、
わたし達が我が子可愛さで「新鮮な野菜」や「うさぎ用おやつ」などを与えてしまうことの方が、大半でしょう。
食餌の種類の割合が、ちょっと変わる事で、うさぎにとっては水分が多すぎたり、おやつの与えすぎで、腸内細菌のバランスに影響を及ぼすこともあります。
糞に異常があったら、心を鬼にして基本の食餌(【牧草】【少量のペレット】)に立ち戻りましょう。
お水は与える方が良いかどうか、獣医師に相談しましょう。下痢の場合、逆にうさぎさんが【脱水症状】を起こしている可能性もあります。
細菌や寄生虫の感染が原因(下痢)
うさぎの生活周辺では、カビや菌類が多数存在します。これは、うさぎ達にとってリスクが大きいのです。
主食とされる牧草類の保管状況が良くないと、カビも発生したり、そのことに気づかず、与えてしまって感染してしまう、、というパターンも考えられます。
また、うさぎの寄生虫として、【コクシジウム】という原虫は知名度が高く、液状の下痢が続くようであれば、【コクシジウム感染症】を疑うべきでもあります。
1~2kgの子うさぎ(月齢6ヶ月未満)が感染しやすく、大人になったうさぎは感染しても、無症状な場合もあるようです。
糞の異常を見つけた時の対処法や予防
まず、いつもと様子が違う、と思ったら対処しなければいけません。対処法や自宅でできる予防法について紹介します。
獣医師に相談
うさぎの腸内が異常事態なので、すぐさま【うさぎ専門獣医師】に診察をお願いしましょう。早期発見・早期治療が、大切なうさぎさんの命を守ります。
大まかには、便の検査(寄生虫の有無、腸内細菌バランスの検査のため)と、血液検査(下痢の場合、うさぎさんの全身の状態を確認するために行う)をして、
投薬または重度の場合【点滴治療】もするかもしれません。診療内容にもよりますが、費用は大体3000円~10000円くらいでしょう。
食餌の改善
繊維質の低い餌、高たんぱく・高脂質・高炭水化物なペレットなどは6ヶ月を過ぎたうさぎさんには、与えない方がいいでしょう。
また、食餌の量にも気をつけましょう。食欲旺盛だからといって、与えすぎると胃腸の活動に良くない場合もあります。食餌は新鮮なもの(牧草もペレットも)を与えましょう。
多頭飼いの場合、感染した子と離して生活させる
もし、うさぎを多頭飼いしてて、一羽が何らかの細菌感染をしていたら、他の子は感染した子と離して生活させましょう。
感染が拡大して、健常な子も寄生虫や細菌のため便が異常になるリスクが高まります。
保温
腸内異常によって、うさぎの体温が低下していることも考えられます。
かかりつけ獣医師に相談して、うさぎの体温低下を防ぐ対処をしましょう。ケージ内の温度管理に、いつも以上に気をつけましょう。
軟便、下痢をよくしていた我が家のうさぎの経験談
私が一番最初にお迎えしたうさぎが、小さい頃から軟便・下痢をよくしていた子でした。多分、生まれる前から母子感染でコクシジウム症だったと思われます。
初めは、下痢をするとすぐにかかりつけ獣医さんに連れて行き、投薬で対処してました。
今ほど、うさぎの健康管理の情報が入手しづらく、ご飯もその子が食べたいように与えていたのも、管理不行き届きの一因だったと思います。
今一緒に暮らしてる四代目には、徹底した食事管理に努力しています。今の所、目立った軟便や下痢にはなっていません。
しかしいつ何が原因で胃腸の状態に異変が起こるかもしれませんので、このまま引き続き、食餌や生活環境の管理には、十分気をつけたいと思います。
腸の働きこそが、寿命の要!
うさぎは、年齢によっても体調管理の仕方が変わってきます。
特に高齢になってくると、若い時そんなに問題にならなかったことも、うさぎにとっては、命のリスクを伴うことも多くなってきます。
日頃の体調管理の一環として、糞の状態を観察するのはとても重要です。
盲腸糞が余ってて、飼い主さんが「あれ?盲腸糞のこってるな…」と気づき、数日続くようであれば、それも軟便と同様、注意が必要となってきます。
そして、ケージ内を常に清潔に保つなどの衛生管理も怠らないように、大切なあなたのうさぎさんを、しっかりフォローしていきましょう!