以前は「うさぎ」というと“小学校で飼育している”とか“白くて目が赤くて、、”という感じのイメージが強かったと思います。
しかし、近年うさぎさんと一緒に暮らす方々が急増しています。
それだけに、予備知識がないままで、ただ見た目の可愛さや、犬と違ってお散歩の必要がない、鳴かないから室内で飼いやすい、
などという安易な考えで、うさぎさんをお迎えすると、想像以上に意外な面に気づくことが多いでしょう。
そこで今回は、うさぎさんの生態や特徴についてご説明しましょう。
うさぎさんってどんな生き物?
生物学的には、うさぎとは『ウサギ目に属する哺乳類』と分類されています。
私達がお家で一緒に暮らすうさぎさんは『ウサギ目>ウサギ科>アナウサギ属』とされており、一言でいえば『アナウサギ』種と呼ばれるカテゴリーです。
(実際は『アナウサギ』の改良種です)
うさぎの品種は、『アナウサギ』を改良することで、耳の長さや被毛の風合いなどに様々な特徴がみられるよう新種開発され、現在では150種以上いるともいわれてます。
本来の『アナウサギ』は地中に穴を掘って生活します。まるで【借りぐらしのアリエッティ】みたいですね!
また草食動物で、草や木の葉、樹皮、果実などを主食としていますが、野生種の中では、一部の種のうさぎは昆虫なども食料とするようです。
全身は柔らかい被毛で覆われおり、最大でも50~76cmくらいの体長となります。では、個別にうさぎさんの身体の特徴などをみていきましょう。
・目(視覚)
顔の真横にあり、視野はとても広く広範囲(真後ろ)まで見わたせるが、近視で視力は低い。
しかし光を感じる能力が人の8倍というデータもあり、人間には暗い場所でも、うさぎには明るく感じている。
・耳(聴覚)
「うさぎ」を象徴する、一番のポイント!長くて大きい耳で些細な音も敏感に聞き取れる
・鼻(臭覚)
常時、細かくぴくぴく動いている。犬に劣らない優れた臭覚をもっている
・舌(味覚)
餌の味に関して、個体差が激しい。色々な味を判断できる意外とグルメな舌を持っている
・歯
表向きは上の前歯2本のように見えるが、実は裏側にも2本生えている。
噛む力は非常に強く、室内の配線や家具、壁などもかじられてしまうリスクがある。
・ヒゲ(触覚)
両目の上側に4~5本、頬には大体1本ずつ、口の周りには多数本ある。
ヒゲが触覚代わりとなり、暗い中で周囲を感知する仕組みとなっている。周期的に抜け落ちる。色は品種によって白、黒に分かれる。
・しっぽ
危険を感じると、しっぽの裏側(大抵白っぽい)を見せて、仲間同士に伝える。嬉しい時は、しっぽを振って喜びを表す。
・前脚
短くて、穴掘りがしやすいように、尖った爪が生えており、指は5本ある。
・後ろ脚
前脚より長い。ジャンプをするための強靭な脚力がある。指の数は4本ある。
・体重
種類別で異なるが、大体1.5kg~5kgまでが、いわゆる【ミニウサギ】の範囲とされている。
※ちなみに、よくペットショップなどで表示されている【ミニウサギ】の【ミニ】は「小さい」という意味ではなく雑種(ミックス)を表しております。
よく誤解されがちですが、どのくらい大きくなるのかスタッフさんに確認することをおすすめします。
・寿命
個体差にもよるが、大体5~10年。特にメスは晩年婦人科系疾病が多くできれば避妊することをおすすめする。
うさぎの生態・どんな特徴がある?
うさぎも、その子によって性格の違いがありますが、共通する特徴はあります。
薄明薄暮型の生活
うさぎは夜に活発に動く、といわれてきましたが、実際は薄明薄暮型、つまり明け方や日没後に活動的になる生き物です。
人間が寝ている時にも一緒に寝ますが、朝方は結構早めに起きて、飼い主さんに「ご飯はまだ?」とケージ内からアピールする子も多いそうです。
臭わない
うさぎの身体自体からは、いわゆる動物的な臭いはしません。
常に自分で毛づくろいをしていて、軟便のためお尻周囲が汚れていない限りシャンプーやお風呂の必要もありません。逆に水に濡れることを嫌う子が多いです。
骨がもろい
うさぎさんの骨は細くて、骨密度も低いので骨折しやすいのが注意事項です。
抱っこをするのも、人間が立った状態で万が一うさぎさんが落下した場合打ち所が悪いと骨折し、最悪な場合下半身不随になることもあります。
食糞をする
うさぎさんの通常の糞は、乾燥してて丸くてコロコロしますが、時々ぶどうの房状の【盲腸糞】というのを食糞します。
これは、繊維質の豊富な牧草を主食とする上で、身体に吸収しきれなかった栄養素を再摂取するための行動です。
健康なうさぎさんの場合は、盲腸糞をすぐ食べるので、飼い主さんが盲腸糞自体を見ることが極わずかだと思いますが、
もし盲腸糞が頻繁にトイレ内に残っていたら体調不良の疑いがあります。うさぎ専門獣医に相談しましょう。
鳴かない(けど、鼻をならす)
うさぎさんには声帯がないので、犬や猫のように鳴くことはできません。
しかし、甘えたり激しい抗議をする時には、鼻を「プゥプゥ」「ブッブッ」と鳴らしてアピールする時があります。
気温差や湿度の変化に弱い
うさぎさんは本来寒さ対策のために、あの柔らかいフワフワの被毛で、体全体を守っていますが、お家うさぎは改良種のためか、温度変化がストレスになる子が多いようです。
うさぎさんの生活環境では25℃前後が適していて、湿度も70%を超えないように注意が必要です。
ストレスを感じやすい
繊細でナイーブな神経の持ち主なので、様々なストレスを感じやすい生き物です。
例えば、引っ越しして生活環境が変わった、道路工事の音に敏感、知らない人が来宅したので緊張した、、、などなど、本当にびっくりするくらい、過敏な子もいます。
うさぎさんの様子がイライラしていたり、通常より緊張気味だった場合は、一番安全地帯!
と思っているケージ内に入れて、布をかけてあげて、外部の刺激から遮断してあげると落ち着くようです。
女の子は【偽妊娠】をする
うさぎさんは大体6ヶ月位で成獣になります。女の子は当然、妊娠もできます。
ただ、お家のうさぎさんは増えてしまうと困るので、避妊する子も多いでしょう。
妊娠できなくなっても、女の子は本能(またはホルモンの影響もあり)で、【偽妊娠】といって思春期や発情期に妊娠したと勘違いして、
【巣作り】のため、自分の胸元の毛をちぎったり、いつも食べている牧草を、部屋の片隅に集めたり、、という行動を起こします。
(女の子に限らず、ごく稀に男の子もあるようです)
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うさぎさんの食生活
うさぎさんは、牧草(チモシーやオーツヘイ、アルファルファなど)を主食とし、ペレット類はあくまでも、『補助食』として与える方が良好な体調を維持できます。
大人になったら、ご自分のうさぎさんの体重の約3~5%がペレットの目安分量とされます。牧草は好きなだけ食べさせてあげましょう。
その他にも、果物、生野菜なども食餌としてOKですが、与えすぎると軟便の原因にもなってしまいます。
我が家での経験談
私は今までに4羽のうさぎ達と暮らしています。すべて男の子なんですが、性格は各自違えど、やはり生活形態は大体同じでした。
かなり朝早く、私達に「何らかのアピール」(大体は「朝ごはんまだ?」「トイレのお掃除して!」)をしてきますし、気温の変化で体調を崩すことも、歴代の子にみられました。
注意はしてても、どうしても神経質な性質なので、何がきっかけとなるのか未だに計り知れない事も多いです。
それでも、やはりうさぎと一緒に暮らすことは、私にとって非常に有意義で充実した生活の要となっています。
まとめ
うさぎさんと暮らした事が未経験の方には、うさぎの生態や特徴を知って「えぇ!意外な事実が多い」と感じた方もいらっしゃると思います。
他の動物に比べて「楽そう」と思われがちですが、うさぎさんは別の意味で「色々な方面を注意すべき」生き物でもあります。
しかし、それを踏まえてでも、一緒にいることで私達の生活に「なごみ」「癒やし」成分をたっぷり味わわせてくれる子たちでもあります。
正しい知識や情報を随時取り入れ、うさぎさんとの快適な生活を楽しんでくださいね。