うさぎさんが、ペットとして人気が高まった理由の一つとして【散歩の必要がないから】が挙げられます。
お家で暮らすうさぎさんは、大概の子はケージ内を「ハウス」と認識し、彼らの最大の安全地帯ともいえるのです。
勿論、ケージの外を自由に動き回って、運動不足を解消する「部屋んぽ」は日課になっていることでしょう。
ただ、うさぎさんも生後10ヶ月を過ぎたら、時々外でのお散歩もいいかもしれません。
お部屋の中では、太陽の光に触れることが少ないでしょうから、外の空気を感じて、うさぎさんたちも新しい世界を楽しめると思います。
うさ飼い達の間では、お部屋で運動させることを、「部屋んぽ」といい、外の散歩は「うさんぽ」と呼んでます。
今回は、うさぎさんのお散歩に関してお話しましょう。
うさぎさん一緒に外出することのメリット
本来【アナウサギ】の改良種である、ペットのうさぎさんには、自分の巣穴でおとなしく過ごす=ケージ内でマイペースに生活する、
が一番ストレスを感ずることなく、安心していられる姿です。
しかし、狭いケージ内だけでは【運動不足】が懸念されますし、外の空気を味わうことで、ストレス発散にもなって、健康面でのメリットもあります。
また、遠巻きにでも犬のお散歩を直に見ることで、「他の動物を認識」できたりして一種の社会性が身につく可能性もあります。
万が一の際、動物クリニックで他の動物といきなり接近するよりは、外出先で、他の子達を認識しておけば「学習」できますよね。
「うさんぽ」の必需品と場所
では、実際に「うさんぽ」の時には、どういった出で立ちで出かければいいのでしょう?
・リードとハーネス
・うさぎ用キャリーバッグ
歩かせるお散歩よりも、どちらかというと「うさんぽ」は日向ぼっこに近いです。
でも、必ずうさぎさんにはハーネスとリードを付けて、飼い主さんが常にリードを手放さない状態でいて下さい。
そして、万が一他の動物(大抵は犬でしょう)が近づいてきても、すぐ抱っこでうさぎさんを隠すか、キャリーバッグに退避させましょう。
好奇心の強い犬に、大切なうさぎさんが目をつけられて、追っかけられる・・・というような大惨事は、絶対に避けましょう!
・ビニール袋、水、小動物用消毒用品、ティッシュ
(ちょっと遠出の際は小さめのピクニックシート、折りたたみサークルがあれば尚良し)外でテリトリー意識を発揮して、糞やおしっこをする子もいます。
犬のお散歩同様、飼い主さんは自分の子の出したものは、責任を持って回収して、ご自宅で廃棄してください。
何故、小動物用消毒薬が必要かというと、うさぎさんは細菌類に感染しやすい生き物だからです。
「うさんぽ」場所としては、大体芝生のある公園に連れて行くことが良いでしょう。道路や公園の砂場は、うさぎさんにとっては危険性が高いです。
一回地面に触れた前足・後ろ脚はキャリーバッグに再度入ってもらう前に、軽く消毒してからの方がおすすめです。
※うさぎ用の消毒用品というものは市販されていないので、ウサギ専門獣医にご相談ください。
クリニックで使っている、うさぎさんの身体に影響のない消毒用品を教えてくれると思います。
間違っても、「アルコール除菌シート」などで、うさぎさんの手足を拭いてはいけません!
「うさんぽ」での注意事項
うさんぽする上で注意して欲しいことがいくつかあります。
1.長時間の「うさんぽ」はさせない
うさぎさんは、あまり長い時間に日光に当てる必要がありません。元々うさぎさんの被毛は、防寒用に加え外敵からの攻撃からの防御用も兼ねてます。
つまり、体温が上昇するとうさぎさんの体調に悪影響を及ぼす可能性もあります。直射日光の下なら10分以内、日陰でも30分~1時間以内が目安です。
2.ハーネスとリードを常に装着
外ではどんな事がうさぎさんの「事故」につながるかわかりません。
キャリーバッグの中にいるうちに、ハーネスとリードは装着させて、外に出したら、飼い主さんは絶対離さないで下さい。
3.拾い食いには要注意
うさぎさんは、意外と好奇心旺盛の子もいて、外の珍しい物をついつい「食べてみたく」なるようです。
しかし、その事で中毒症状を起こしたりしては、台無しです。絶対、家で与えている食餌以外のものを誤食させないよう、気をつけましょう。
4.その他
先程、うさんぽ場所として芝生のある公園がおすすめ、、と言いましたが、なるべくなら、子供連れや頻繁に犬の散歩をさせているような場所は避けましょう。
子供の高い声質は、うさぎさんには「警戒音」に聞こえ、ストレスを与えてしまいます。
また、うさぎさんの性格上、どうしても外部に行くとビクビク落ち着きがなくなるような子は、敢えて「うさんぽ」させる必要はありません。
中には、ハーネスやリードにすらストレスを感じる子もいるかもしれません。
どうしても「うさんぽ」に挑戦したいのでしたら、キャリーバッグ内にいてもらって外に連れて行くレベルでおさえましょう。
5.うさんぽから帰ったら
帰宅後は、うさぎさんも疲れているので休ませてあげたいのはやまやまですが、外で体についた土や虫などを、丁寧にブラッシングしてあげて、取り除いてあげましょう。
うさぎさんの身体に、ノミやダニなどが付着してしまったら、皮フ炎を起こすリスクがあります。
歴代のうさんぽの経験談
歴代のうちの子達は、全員「うさんぽ」経験者であり、結構「うさんぽ」を楽しめる子たちです♪
ただ、全員「うさんぽ」スタイルが違ってて、一代目の子は気が強いくせにビビリ君だったので、なかなかキャリーバッグから出ようとせず、
こっちが「あ~もう今日はうさんぽしないのねぇ」と帰ろうとした途端、「やる気」が出てきて、外でトイレをしたり芝生をツンツンしたりとマイペースに楽しむ子でした。
三代目の子は、キャリーバッグ自体が嫌なので、目的地に着いたらすぐに出てきて、シートの上で(というか私達の側で)おしっこをして、テリトリー主張・・・
でも、飼い主としてはうちの子が自然の中でいる勇姿が、頼もしくて一緒に「うさんぽ」ができる喜びを、いつもひしひしと感じています。
周囲の注意をしてうさんぽを楽しみましょう
うさぎさんと外でお散歩するのは、うさ飼いの「夢」でもあります。
好奇心旺盛のうさぎさんも結構いるので、うさんぽ中の周囲への注意やうさぎさんが、誤食するのを気を付けてさえいれば、こんなに楽しく幸せを分かち合えるひとときはありません。
ただし、うさぎさんの性格も十羽十色(笑)。無理はさせず、もし「うさんぽ」が苦手な子だったら、無理強いはしないことが大切です。